電話でのご予約・お問い合わせ

TEL:03-3666-2212

自律神経失調症(バランスの崩れが原因!)

症状はきわめて多彩

自律神経というのは、人の身体の中で、自分の意志とは無関係に働く臓器、たとえば心臓、胃腸、内分泌などの働きをコントロールする神経です。

自律神経には、交感神経と副交感神経とがあり、片方がプラスに働くと他方がマイナスに働くといった具合に、うまくバランスをとって機能しています。何かのはずみで、このバランスが崩れた状態が起きます。それが自律神経失調症だと言ってよいでしょう。

自律神経失調症では、どんな症状が出るかを、下記の表でチェックしてみてください。
「Yes」が多いほど自律神経失調症度が高くなります。

自律神経失調症度チェック

  1. 疲れやすく、だるい
  2. 頭痛、頭重がある
  3. 肩こりがひどい
  4. のぼせやすい
  5. 手足がつめたい
  6. 急に汗が出ることがある
  7. 動悸・息切れすることがある
  8. 吐き気や腹痛が起きやすい
  9. 寝つかれないことが多い
  10. 人前に出ると緊張する

自律神経失調症は、思春期から40歳代の間に好発し、男性より女性に多いようです。症状としては、チェック項目に示したように、自覚症状的なものが多く、きわめて多彩なさまざまな症状があることが特徴です。

自律神経は人のあらゆる行動に関係しているといえます。たとえば、「走る」というのは自分の意志で行う行動ですが、走ることに伴って、心臓の収縮数や呼吸数を増加させるなど、走るという状況に身体を整えるのは、その人の意思によるのではなく、自律神経が自動的に行ってくれるのです。

したがって、あらゆる身体の状態に、自律神経との関連を考える必要があるといってよいでしょう。その意味では、高血圧症も、低血圧症も、心臓の病気も、胃の病気も、多くの病気が自律神経失調症の一つと考えることもできます。

しかし、一般には、特定の病気がなくて、交感神経と副交感神経のバランスの崩れによってさまざまな症状が出現したものを、自律神経失調症と呼んでいます。ですから、厳密な意味では、自律神経失調症という病気はないともいえます。

自律神経失調症では、きわめて多彩な症状(いわゆる不定愁訴)が見られます。漠然とした身体的愁訴があるけれども、それに見合う病気が存在しない状態に名付けられた「不定愁訴症候群」とほぼ同じ意味だと思います。

自律神経失調症の日常生活での注意点

自律神経失調症は、先天的な体質因子のほかに、心理的な因子、環境的な因子などが強く関与しています。したがって、自律神経失調症の治療は、医師の指導によって薬剤を服薬したり、自律訓練を受けたりすることも必要ですが、それと同時に、バランスのとれた日常生活を作り上げるための自分自身の努力が大切です。

自律神経失調症に対して、日常生活のなかで、どのように対処したらよいかを列挙してみましょう。

  • 食生活では、好き嫌いをなくして、栄養のバランスをとるようにします。食事をとる時間をなるべく規則的にして、腹八分を心がけます。胃の調子が悪い場合が多いので、あまり水分をとり過ぎないことも大切です。
  • 睡眠時間は、当たり前ですが適度の時間がよく、睡眠不足もいけませんが、寝過ぎもよくありません。夜寝る前に食事をとることは、胃の負担にもなるし、睡眠も妨げます。
  • 適度の運動を日常生活に取り入れます。特別なスポーツをしなくても、なるべく歩く時間を増やすことや仕事の合間に簡単な体操をするだけでも効果があります。
  • 血液の循環を良くするために、入浴やマッサージが有効です。しかし、入浴時間が長過ぎると、気持ちが悪くなるなどかえって具合が悪くなることがあるので注意してください。
  • 一般に、体を冷やすことはよくありません。夏の暑さに弱い人が多いので、冷房の入れすぎに注意してください。
  • 体の向き、とくに頭の向きを変えるときや、立ち上がるときには、いわゆる「立ちくらみ」症状が起きるのを防ぐために、できるだけゆっくりした動作にするようにしてください。
  • タバコの吸い過ぎやアルコールの飲み過ぎを避けてください。

症状チェック一覧に戻る