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生活習慣病(自覚症状の限界を自覚しよう!)

生活習慣病に対処する

この特集の最初に、「自覚症状」は神様の贈り物であり、自覚症状の一つ「疲れ」は健康の黄色信号であることを述べ、いろいろな病気で「疲れ」の症状が出ることを説明してきました。

しかし、自覚症状だけですべてのことがわかるわけではありません。ある程度の目安を立てたうえで、かかりつけ医に相談することが大切です。さらには、自覚症状がなくても健康が害されている場合もあります。

つまり、神様の贈り物である自覚症状だけによる判断には、おのずと限界があることを最後に強調したいと思います。

診断の基本は自覚症状

自覚症状によって、皆さんが病気の存在に気がつくように、医師が病気の診断をするときに、まず一番の基本になるのは、やはり自覚症状です。

患者さんが訴えるいろいろな自覚症状のなかで、中心的なものを「主訴」と呼びます。医師は、主訴が、いつから、どの程度あるか、関連する自覚症状にはどんなものがあるかなどを聞きます。これを「問診」といいます。問診には、現在の病気のことだけではなく、今までにかかったことのある病気(既往歴)や家族の病気(家族歴)も含まれます。

他覚的所見の判定

患者さんの訴えるさまざまな自覚症状をもとに、医師はいろいろな病気を考えながら、診察や検査を進めていきます。その結果得られた医学的情報が、「他覚的所見」です。自覚的症状はあくまで主観的ですが、他覚的所見は客観的事実です。

他覚的所見には、体温、血圧、脈拍数、心音などの簡単な所見から、心電図、レントゲン、尿・血液、CTなどの検査所見などまで、数多くのものがあります。

このように、自覚症状を基礎として、得られた他覚的所見を併せて、総合的に判断した結果で病気の診断が下されるというのが、一番普通の筋道です。

生活習慣病は自覚症状がない

ところが、現在日本人の死亡原因の70%近くを占める生活習慣病は、自覚症状なしに進行することが多いのが特徴です。たとえば、血圧が160あっても自覚症状はまったくないのが普通です。コレステロールが300mg/dl以上あっても、さしあたり自覚症状は出てきません。つまり、自覚症状はなくても、他覚的所見に異常が見つかるというのが、生活習慣病の特徴なのです。ここに、自覚症状もなく、自分では健康に自身があっても、定期的に「生活習慣病健診」や「人間ドック検査」を受けることの重要性があります。

危険因子のコントロールがポイント

それでは、自覚症状もなく、他覚的所見にも異常がなければまったく病気の心配はないのでしょうか。そうではありません。現在、とくに生活習慣病を中心に重要視されているのは、「危険因子」という考え方です。

危険因子とは何か、例をあげて説明してみましょう。山田さんと鈴木さんという2人の男性がいます。この2人は、年齢や体重なども同じで、人間ドック検査でも異常なしと言われています。しかし、山田さんはタバコを吸い、鈴木さんはタバコを吸わないとしたら、「心筋梗塞」という心臓の病気にかかる可能性(危険度)は、山田さんのほうが高くなります。この場合に、タバコを吸うことは、心筋梗塞の危険因子であると言います。危険因子のなかには、性別、年齢、遺伝子などのように、自分ではコントロールすることができないものもあります。

しかし、喫煙、飲酒、食事、肥満、血圧などのように、自分で管理できるものが数多くあります。これらの危険因子をいかにしてコントロールするかが、生活習慣病に対処する重要なポイント、すなわち現代人の健康作りのキーポイントなのです。

以上の視点から、あなたの長生き度を下記の表でチェックしてみてください。
「Yes」が多いほど長生き度が高くなります。

長生き度チェック

  1. タバコは吸わない
  2. 飲酒は適量にしている
  3. カロリーのとりすぎに注意している
  4. 適度な運動をしている
  5. 塩分のとりすぎに注意している
  6. 脂肪分の食べすぎに注意している
  7. 睡眠を十分にとっている
  8. イライラ、カリカリすることは少ない
  9. 自分の生き甲斐や趣味を持っている
  10. 定期的に健康診断を受けている

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