自覚症状は神様の贈り物
ぞくぞくと寒気がして、喉が痛い、鼻水や咳も出る……。こんな症状があれば、誰でも「風邪をひいたかな?」と考えるでしょう。われわれが健康を害されたと感じる最初の手がかりは、このような「自覚症状」です。
そこで、「痛み」という自覚症状を例にとってみます。
痛みというのは、誰もが嫌いな自覚症状ですが、考えようによっては、これほどありがたいものはありません。なぜなら、痛みという自覚症状があるために、われわれは数多くの病気から身を守ることができるのです。
例えば、転倒して足の骨を骨折したとしても、痛みがなければ骨が折れたことに気がつかずに、手遅れになってしまうでしょう。内臓の病気でも同じです。胃潰瘍ができても、痛みがなければ、胃に穴があくまで気がつかないかもしれません。痛みという自覚症状が、病気の存在を教えてくれて、的確にそれに対処できるようにしてくれているのです。
痛みという自覚症状は、神様が人間に下さった最高の贈り物であるとも考えられます。
疲れは健康の黄色信号
神様が人間に下さった贈り物である自覚症状のなかで、もっとも頻度が多いのは「疲れ」という症状です。疲れは、健康が損なわれたことを示す黄色(注意)信号であるといえます。 過労、寝不足、飲み過ぎなどの生活の乱れ、発熱、下痢などの体調の不備、数多くの身体の病気はもちろん、心の病気の場合も含めて、さまざまな原因でわれわれの健康が害されたときに、疲れという自覚症状が出てくるのです。
疲れという自覚症状はわれわれに「休養が必要です」という注意を与えてくれています。何か原因になる病気があるかどうか、「きちんと調べなさい」と教えてくれています。
このように考えれば、疲れもまた、神様が人間に下さった大変貴重な贈り物であると考えることができます。
疲れとは何か
疲れは、誰もが経験したことのある自覚症状だと思います。疲れは、過労とか寝不足とかいった、ちょっとした生活の乱れによっても出てきます。「お疲れさん」という言葉が日常の挨拶として使われています。それほど、世の中には「疲れる」ことが多いともいえます。
一定時間以上、体や頭を使っていると、体の動きが滑らかでなくなり、頭の働きが鈍ってきます。このような、体(身体)や頭(精神)の活動性の低下が、疲れという自覚症状として現れてくるものと考えられます。
昔は、体を動かすことによる身体的疲れが中心でしたが、IT化が進んだ現在では、体を動かすことは減っても、頭を使うことが増えて、むしろ体を動かさないほうが疲れるという皮肉な結果を生んでいます。
下記の表で、あなたの「お疲れ度」をチェックしてみてください。
「Yes」が多いほどお疲れ度が高くなります。
お疲れ度チェック
- 全身がだるい
- 朝起きたとき疲れが残る
- あくびがよく出る
- よく居眠りをする
- 肩がこる
- 食事がおいしくない
- 考えがまとまらない
- 物事に熱中できない
- 仕事にミスが追い
- 眠いのに寝つけない
自覚症状の正しい判断
日常生活の中で経験するさまざまな自覚症状、神様の贈り物である自覚症状がどんな意味を持っているのか、それを正しく理解することが、健康管理の第一歩であるといえます。
このチェックコーナーでは、健康の黄色信号である「疲れ」の自覚症状があるとき、どんな病気や体調の不備を考えればよいかについて、まとめてみました。